お琴今昔物語

門下生の独り言

伝統芸能のミライ、「断捨離」ではなく「守破離」

私は普段殆どTVを見ないのだが、家族が見ているものが時折視界に入ってくる。

あ、SAMさんがCMに出てる、何だろう?

高齢者さん向けのダンスエクササイズ「リバイバルダンス」のDVDのCMだった。

安室奈美恵さんと結婚した時ほどの衝撃は無いが、美空ひばりさんや森昌子さんらのヒット曲に合わせて踊るその企画に、軽い驚きを覚える。

SAMさんとは、TRFとして活躍されていたダンサー。

あれから30年以上経つらしい。

 

音楽活動やダンサー育成を続ける中、2019年には能楽士の佐野登氏に弟子入り。先月「宝生能楽堂」にて装束と面を身に着けて舞台に立ち、演目「猩々(しょうじょう)」でシテ(主役)を務めた。

「ストリートダンス」から「能」へ…。

自身の日本人としてのルーツへ遡る事となる。

戦後「欧米文化」の波に飲み込まれてしまい、忘れ去られつつある「伝統芸能」の世界を、SAMさんのような ''影響力はあるが謂わば「よそ者」である方々'' が継承していく。

※ SAMさん、実は祖先が高名な宝生流能楽師。全くの「よそ者」でも無い。

 

「どんな形でもいいよ~、誰か伝えて♪」

 

「能」が、新しい形へと進化しそうな予感がする…。