お琴今昔物語

門下生の独り言

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

デメリット、まだまだあった!

前回お琴を習うデメリットを記事にしてみたが、考えたらまだまだあった! キチンと伝えないと、後でクレームが来ても対処出来ないので、正直に書いてみる。 他の方々の事は知らないが、私はおうちでお琴を弾く時は正座で弾く。何故か右膝と右脚の付け根が痛…

デメリットについて言及してみる

お琴を弾くことや、お稽古は楽しい。沢山のメリットもある。が、デメリットが無いかと聞かれると ( 聞かれもしないのだが )、少し言及してみる。 まず、それなりにお金はかかる。何でも趣味やお稽古は、お金が必要。お道具や楽譜、お月謝などだが、探せば安…

「プロ」とは?

弦が緩んできて、お爪で弾く場所が毛羽立ってきたら、「新糸」にするか「切り詰め」て使うか「天地」を替えて使うかに分かれる。 1本だけの時は職人さんに直接持っていき、その場で締めて頂く。 13本全ての弦の糸締めをする時は、先生にお願いする。都合をお…

お琴上達の御守り?

以前、和楽器バンドの記事を書いた。 「今度、いぶくろ聖志さんがいらしたら、サイン貰って頂けますか?」 テンションの上がった私に、至って冷静に答える和楽器店の店主。 「サインもらうほどの方?」 「千本桜の動画の方ですよ!」 私の答えに、さらに冷静…

妄想琴

紙を一枚用意して 横線 ( 弦 ) を13本描いてみる (2cm間隔だとかなり本格的 ) その横に上から漢数字を書き込む 一ニ三四五六七八九十斗為巾 (さくらの楽譜) 楽譜に書いてある数字と、横線 ( 弦 ) に書かれた数字は同じだから、そのまま素直に弾くと、「さく…

丁寧に弾くために。

先生は仰る。 「たった1ページ、或いはたった1行だけでいいから、間違えずにキチンと弾いてごらん」 ( 流派によって違うが私は縦書きの楽譜を使っている ) 旦那も同じような事を言う。 「ゆっくりでいいから、まず間違えないで弾けるようにしようよ」 当た…

暗譜への近道

買い物に行く時に、買うものを覚えられないからリストを紙に書く。が、紙を家に忘れる。次に手の甲に書くが、うっかり手を洗ってしまい、書いてあったリストまで水に流れ去る。二十歳の頃の私…。 お琴の楽曲は、5分位から10分位までのものが殆どだが、記憶…

お琴の先生は男性ですが…

和楽器店でお琴教室の見学を予約した時の事だったと思う。真剣な顔をして店主は私に言う。 「決して決して、イケメンの先生とか期待しないでね」 はて?私はお琴を習うかどうかを考えているのであって、先生がイケメンかどうかは全く頭に無かった 。(先生の…

お爪で音色は変わる

どの楽器にも言えると勝手に思い込んでいるのだが、部品を換えると音が変わる。お琴も、弦や琴柱、お爪の種類 (素材やグレード) を換えると音が変わる。 山田流と生田流と言うニ大流派の違いは、ざっくり言うとお爪の形。 暫く弾き込むと角が丸くなる。骨董…

しつこく男性陣にお誘いしてみる

お稽古に少し早目に行くと、先生がひとりで弾いていらっしゃるのが聴こえる。楽器店の中に、凛とした美しいお琴の音色が静かに響く。古い並甲のお琴 (比較的安価なお稽古用のお琴)とは思えない。 先生のお琴の音色の話から、男性琴奏者の話になった。 何度も…

第一人者への道は近くて遠い…

何かを始めた人の9割は途中で挫折する。ただひたすら続けているだけで、1割の優等生枠に必然的に入れると言う話を聞いた。 古いお琴を頂いたのは良いのだが、せめて弦ぐらいは新しく張り替えようかな?と思い、和楽器店を探してみる (東京に持って帰る余裕…

楽器は、それ自体が既に師匠也

「日本の海は駄目だね。海外の波と比べると。」 時々サーフィンをしに海外へ行く知人が言った言葉だが、日本の海でサーフィンをしている方々をTVなどで見ると、私は逆に驚いてしまう。 小さな波に乗って機敏に動く姿は、海外のサーフィンの映像をまるで早送…

お琴を弾くだけがお稽古にあらず…

武術系映画などで良く見かけるシーンだが、雑用 (掃除や薪割り?) などの全てが修行に繋がっていると言う名目で、こき使われる一門達。 私は時々 (と言っても年に2,3回だが…) 知人の 田舎の庭の手入れに駆り出される。庭と言っても都会のそれとはまるで違う…

ノヴェンバー・ステップス

この空間で一体何が起きているのだろうか? 尺八と薩摩琵琶の奏者達からは、指揮者もオーケストラも見えない。 指揮者からは、尺八と薩摩琵琶の奏者達が見えない。 二極に異なるこの世界は、何処に焦点を合わせて演奏しているのだろう? 小澤征爾氏率いる新…

お琴の寿命を延ばすには?

今回もお琴初心者さん向けの、少しマニアックなお話。 お琴の弦が切れる時は、お爪で弾く場所が切れるのが一般的で、一度にブワーっと切れる事は無く、初心者だとまずは1本切れるくらいだと思う (私の経験上)。 1本だけ締め直しても、隣の弦や他の弦もミクロ…

お琴の弦が切れた…。何故?

お琴を嗜んでいる初心者さん向けのお話なので、そうでない方々には全く用の無いお話と、予め前置きして。 お琴の弦は、時々切れる。私の弦も切れる。そうなったら、お琴屋さんに持って行って張り替えて頂く。当たり前だから、お琴をお稽古している方々はどな…

愛すべき藝術作品

徳川家光の「兎図」(私はこれをずっと「兜図」だと思っていた。お殿様が鎧を着て兎の兜を被ってるのかと…)、そして豊臣秀吉の「黄金の茶室」。私が大好きな芸術家達の愛すべき芸術作品。と言ったら「彼らは芸術家では無い」と言われ「それらは芸術作品では無…

古典への誘 (いざな) い

お琴を習う上で「古典」は避けて通れない。特に「先生」や「演奏家」に成ろうとするならば、なおさらだと先生が仰った。さらに続ける。 「虎穴に入らずんば虎子を得ず、だよ」 コケツニイラズンバコジヲエズ?いや、その言葉は私でも知っている。が、古典と…

結界を張る

血圧が低い人は、人生の殆どを寝て過ごしているようなもの。と、聞いたことがある。いつも、冬眠しているような感じだろうか? 血圧が低いせいか (関係ないかも知れないが)、「赤」と言う色が好きだ。正確に言えば「緋色」。 緋色の毛氈 (もうせん)は、お琴…

見えないが故に、見える世界

盲人の方々の作る楽曲は、不思議だ。彼らの演奏は、私にさらなる疑問符を投げかける。 見えていないはずの彼らの演奏を目を閉じて聴いていると、目の前に情景が浮かび上がる 。絵画で言うグラデーションのように、音のひとつひとつが繊細に連なって、様々な…

夜、決して聴いてはいけない

ただ、ひたすら妖しく ただ、ひたすら恐い恐い恐い 夜、決してひとりでは 聴いてはいけない それでも、聴くなら ひとりきりで 草木も眠る丑三つ時… 身体中の血を逆撫でする 薩摩琵琶の音色と 壇ノ浦 弾く側も、聴く側も 何かに取り憑かれている… 佐藤義久先…

「紅蓮華」ってロックだったのか!

古典に限らず、殆どの筝曲は盲人達の作曲による。宮城道雄先生以降を現代筝曲と呼ぶきらいがあるが、現代筝曲はドレミ音階で作られているものも少なくない。 「古典は盲人が作曲したから、彼らの弾きやすいように作られている。健常者には弾きにくい (唄いに…

自分からは見えていない事

以前、山梨で立ち寄った居酒屋の店主の立ち居振舞いが美しくて、調理をしている姿をカウンター越しから見惚れてしまった事がある。 ここの店主は、鏡を見ながら調理をしたりするのだろうか?ふと疑問に思ったが野暮なことは聞かない方が、無難な人生を送る事…

興(きょう)に乗る

唄ものは、唄と唄の間にわりと長い間奏があって、その部分を「手事」と呼ぶ (遊女の手練手管とは意味が違う)。 お教室でのお稽古で「夕顔」の手事にさしかかり、難しい部分は何度も繰り返し弾かされる。私は先生に言ってしまう。 「ここ、難しいんですよ」 …

和楽器バンド

「いぶくろ聖志さんって知ってる?」 和楽器店の店主が私に尋ねたが、情弱な私が知る訳が無い。先週、お店にいらしたらしいが店主は彼に 「お琴、弾くんですか?」 などと、うっかり言ってしまったらしい。確かに若い男性でお琴を弾く人は珍しい。「お琴屋さ…

たいして変わらないよ。

お琴には実は沢山種類があるのだけど、ざっくり言うと「くり甲」と「並甲」の2種類に分かれる。前者が演奏会用、後者がお稽古用。私のお琴は「くり甲・上角」だが、この上にはまだまだ沢山ランクがある。お琴には寿命があって30年~70年位と言われている。 …

何故やめてしまうのだろう?

今まで沢山の事に出逢い、沢山の事をやめてしまった。私だけではなく、誰しもが同じだと想う。 やめると一概に言っても、自らやめる時もあったし、やめざるを得なかった時もあった。やめさせられた時もあった。 何故やめてしまうのだろう? 直ぐにやめてしま…

100歳まで生きたくない人、74.2%

人生100年時代と言われて久しいが、本当に100歳まで生きたい!と思う人がどれ程いるのだろうか? 今から3年ほど前にお見かけした三味線の先生と言う方が、大正生まれで確か当時94歳だったのだが、背筋がスッと伸びていて何処から見ても (歩く後ろ姿さえ) 70…

宮城道雄記念館に祐気取り

購入した「手事」の楽譜には、東京藝術大学筝曲科用と書かれている。宮城道雄先生の静かな中にひそむ熱い情熱を感じる。 さて、どうしたものか?暫くYouTubeで後藤すみ子先生の音源を聴きながら、練習すること一週間。1ページも弾けるようにならない。13ペー…

100歳の「手事」

2012年当時80歳(多分)の後藤すみ子氏の演奏をYouTubeで見て(聴いて)、驚いた!エネルギッシュでパワフル。なんと若々しいハリのある音色なのだろう。 驚かされたのは、これだけでは無かった。約10年後の90歳になられた時も、同じ曲を独奏会で演奏なさった。…