豊島区の大塚花柳界最後の1人となった芸者いく代さん。衰退していく花街の現状をTVで見ていた義父が言う。
「今の日本には、お金持ちがいなくなってきているのだろう。」
お金持ちは存在している。が、「遊び方を知っているお金持ち」が減少していると、誰かから聞いたことがある。
お金を出して、女の人との時間を楽しむなら、夜の街へ繰り出した方が手軽だ。
今でこそ「一見さんお断り」と言った雰囲気は和らぎつつあるが、それでも芸者さんの芸を楽しむには、遊ぶ側にもお金以上の文化的教養の下地が必要となる。
舞や地唄、三味線に全く造詣無しで楽しめるだろうか?勿論観ているだけで、それらは楽しめるが、唄の文句や舞の物語が分かれば更に楽しい。
「京都花街を支えてきた旦那衆には、長唄三味線や常磐津を習い茶道や華道を嗜む人も多いのです」
どうやら「お金」と「時間」をかけて遊ぶのは、今流では無いようだ。
遊ぶ側は「お金」さえ持って行けば良い、なんて野暮な事を考えてはいけない。とはいえ「お金」さえ持って行けば遊べる花柳界、に成りつつある昨今。観光やイベントの一環としての道も選択肢のひとつなのは、時代なのだろう。
「八尾が江戸時代蚕種業(カイコの卵)で栄え始めると花街も出来て、蚕種業で財を成した旦那衆が芸事にのめりこんだのがおわらのルーツです」
伝統芸能を学ぶ。旦那衆のように。
そして私も ( いつか ) 花街を楽しむ。 旦那衆のように。
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