若い門下生が、とあるベテランの十七弦の演奏を間近で聞いて「心が震えるほど感動した」と述べた…。
それは。
多分、奏者と十七弦との両方に「何か」が共鳴したのだろう。
こう言う言葉を聞くと、「才能の違い」を思い知る。
すなわち「感性の違い」。
自身は、誰かの演奏に「心が震えるほど感動した」ことがあっただろうか?
「演奏」、よりも「生き様」に感動することが多い。が、それはあくまでも「思考」で捉えているに過ぎない。
「心が震えるほど感動する音色」は、思考では捉えられない。
清らかに静まった水面のような透明な心、若い門下生の「素直さ」は、相手から投げられたエネルギーと言う名の小石を、大きな波紋に広げることが出来る瑞々しさを持っている…。
「素直さ」、これこそが最も大切な奏法なのだと感じる。