お琴今昔物語

門下生の独り言

丁寧な時間

毛氈(赤い布)を床に敷く。お琴を置いてそっと油単(お琴のカバー)を外す。音叉を使って壱の音(基本となる音)を取り、13本の弦に音を調べながら、ひとつずつお琴柱を立てていく。弦を1本ずつ押して整えていく。弦は刻々と伸びていくから暫く置いておく。落ち着いた頃に調弦アプリを使って調弦をする。右の手の指三本にお爪をはめる。弦をつま弾いて音を確める。

およそ30分程の時間をかけて準備が整い、それから練習を始める。心を整える時間でもある。おうちに居るときの日常の風景。

「お琴は弾きたい時に直ぐ弾ける楽器ではありません。準備にとても時間がかかる楽器です。でもこの時間も含めて全てがお稽古です。」

合同練習の時に、私たち門下生に先生が仰った言葉だ。

始めたばかりの頃は、おうちのお琴には柱が立てたままだった。調弦も勘を頼りにしていた。整える時間など待たずに練習を始めていた。それが駄目な訳ではなく、ただ続けているうちに自然と変化していく。自分の弾きやすいように。型はひとつでは無いし、皆違うはず。

弾く人が弾きやすいのなら、どの型も正しいのだと思う。

 

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