お琴今昔物語

門下生の独り言

稽古の言葉

ずいぶん前の事だが、お稽古の時、演奏会を事前に控えていた先生の手がパンパンに腫れていた。理由を聞くと練習しすぎたと返事が返ってきた。

「こんなことでは演奏家として失格だ。腕を痛めるまで練習してはいけない。限度を見極めているべきだ。」

確かに演奏家にとって、手は命の次に大切なもの。結局演奏会までには手の腫れは引いて、演奏会は大盛況の中幕を閉じた。

75歳の藝大主席ピアニストが、ストリートピアノで1曲披露するために1000回練習したと言う話をYouTubeで見た。素晴らしい演奏だった。

私は毎日練習するけど、1曲につき3回くらいで他の曲に変えてしまう。私の演奏に「粘着力が無い」と言われる所以だ。

お琴を習う以前の私がバイブルにしていた、舞踏家の大野一雄先生の「稽古の言葉」のある一節が甦る。

関節がはずれるくらいやってみたらどうか?そういう踊りをやらないと可能性が無いんですよ。やってみてください。だからNothing

ジャンルこそ違うが、道程は限りなく似ている。指の関節がはずれるくらいやってみたらどうか?そう問われている気がする。

 

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