お琴今昔物語

門下生の独り言

「龍神様の化身」と暮らす

中国の易経風水の世界では、龍は四神のひとつで東方をお守りしているらしい。にもかかわらず、龍の置物は北側に飾りましょうと言われているのは、龍神様が水場を好むからだとか(北側の象意は水)。

私は龍の置物を購入したり、彫り物を背中に背負ったりはしないのだけど、実家の菩提寺には龍の名前が入っているので子供の頃から身近に感じている。

「お琴」と言う楽器は、その姿形や模様から龍を想像させるのか、ほぼ全ての主要な部位の名称に龍の文字が付く。龍頭、龍尾、龍舌、龍甲、龍眼など。私にとってお琴は楽器と言うよりも「龍神様の化身」だと考えている。日々「龍神様の化身」と暮らしている、なんて素敵な楽器なのだろう(勿論全ての楽器はいずれも素敵なのだけど)。なんて頼もしい楽器なのだろう。

美しくて見惚れてしまう。練習するのを忘れて(ちゃんと練習しましょう、私)、しばし眺めてしまう。楽器は奏でる為の物だけど、自分の音色にうっとり出来ない時は、楽器の姿そのものにうっとりする時間があっても良いのだと思っている。

全ての楽器は美しい。いずれにも職人さん達の魂が込められている。今はもう、この世に存在していないかも知れない彼らと、ゆっくり時を共有する。

 

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