世界の果てまで放浪して来たよ、過去から未来まで旅して来たよ…、と囁かれたら、信じてしまうかも知れない。
尾上祐一氏、彼の自作の楽器、名前は何とでも呼んでくれ、と言わんばかりのそれは、不思議な音色を奏でる。
世界の七つの海と大陸を渡って来たのだろうか?
人では無いはずの楽器が、唸りながら叫ぶ様は、ともすると不協和音のようでありながら、全てが調和している。
山の山頂から木霊するそれは、地上の何かを呼び寄せる。
翼が欲しいと切に願い、大空へと向かおううとしている何かを…。
「鳥のように」、広い広い世界へと羽ばたこうとしている森川浩恵氏と言う奏者との饗宴、其れは狂宴…。