お琴今昔物語

門下生の独り言

気のせい…

言語化するのが難しい事のひとつが「気のせい」と言う現象。要は根拠が無いから、言語化しても相手には通じない。通じていないものは言語と見なされない 。例えばお琴を弾いていて鳥が鳴いたら、一緒に歌っていると感じるような事。

「気のせい…」。

お琴は主に生田流と山田流のふたつの流派が主流だ。私は生田流を学んでいるが、私の使っている古いお琴は山田流の方から譲られたもの。形に違いは殆ど無いから使用出来る。

お琴はバイオリンなどと違って、寿命が短い。一般的な物だと30年~50年くらいと言われている。譲り受けたお琴は多分60年以上前のものだから、既に枯れているはず。

それなのに、以前の所有者が弾いていたであろう曲を弾いてみると何故か「音色」が変わる。お琴が枯れているはずなのに、鳴くようになる。精一杯なのだが、まるでかつての何かを思い出したかのように、嬉々として鳴り出す。楽器というのは記憶が可能なのだろうか?

多分「気のせい」…

 

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