先日、初めて知ったスティーブ・ジョブズをすっかり気に入ってしまった先生は私に訊ねる。
「私 ( 先生の事 ) とスティーブ・ジョブズとでは、どちらがお金持ち?」
早くお稽古したい私は、塩対応したいところを、ぐっと堪える。
「スティーブ・ジョブズの方が、先生よりちょっぴりお金持ちかも…。」
しょんぼりした先生を慰めようと、私も続ける。
「でも、彼はもうお亡くなりになってますから。」
急に希望に満ち溢れる先生は、私に語る。
「では、スティーブ・ジョブズは亡くなっているので、これ以上お金持ちにはならないが、まだ生きている私は、彼を越える可能性が有るということかな?」
「先生、私はお稽古しに来ているんです。早く始めて下さい💢」
現在の経済の仕組みでは、亡くなっても稼いでいる方々が、沢山いらっしゃる事は、面倒くさいので説明しない。
お琴の楽譜の印税で、スティーブ・ジョブズと闘おうとしている先生を見ているとクスッとなるが、笑うに笑えない。スティーブ・ジョブズの話を持ち出したのは、誰だ?
余計な世間話 ( 特にGAFAMやForbs系 ) は慎もう、と自身に誓った。
お教室では、花鳥風月のお話が良く似合う…。