お琴今昔物語

門下生の独り言

見えないが故に、見える世界

盲人の方々の作る楽曲は、不思議だ。彼らの演奏は、私にさらなる疑問符を投げかける。

見えていないはずの彼らの演奏を目を閉じて聴いていると、目の前に情景が浮かび上がる 。絵画で言うグラデーションのように、音のひとつひとつが繊細に連なって、様々な動きを造り出す。

私は「視覚」にあまりにも頼りすぎているのでは無いだろうか?音と映像がセットに成りすぎている物 (例えばミュージック・ビデオ) の見過ぎで、音楽から何かを想像する感性そのものが、退化してきているかのように感じている。

本来「音楽は観るもの」であって、「絵画は聴くもの」の様に思う。

音楽から見える景色があるように、絵画から聴こえる旋律がある。

目を閉じて弾くことは難しい。が、時々意識してみる。目を閉じて弾くわけでは無いが、音だけに集中してみる。何か見えるだろうか?

自分に見えて来ない情景が、他人に見えるはずが無い…。

 

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