お琴今昔物語

門下生の独り言

仁智礼義信文武斐蘭商斗為巾

「八橋流筝曲は元来、人に聞かせるためのもの、というよりは、自分の心に聞かせて己を慰め、励まして自分自身を磨く技なんです。」

素敵な言葉に、筝人さんのブログの中で出会った。私は演奏者の最終形態である「媒体になる」事に憧れを抱いてはいるが、現実的にはお琴の先生や演奏家を目指している訳では無い。では何のためにお琴を弾いているのだろう?と言う素朴な問への答えが筝人さんのこの言葉に集約されている。

では何を指針に自分自身を磨くのだろう?模範解答は無いが、ヒントは絃が教えてくれる。遡ること1233年雅楽師の狛近真著による「教訓抄」の中にある教えが絃の名前の由来だそうだが、全ての絃には意味がある。

全部で13本あるお琴の絃は、現代では「一二三四五六七八九十斗為巾」で表されるが、昔は「仁智礼義信文武斐蘭商斗為巾」を使っていたらしく、斗為巾だけが残っている。(以下、琴光堂さんのホームページより)

〈仁〉思いやりと

〈智〉才知をもって

〈礼〉人を敬い

〈義〉道理を守って

〈信〉人を欺かず

〈文〉書物を尊び

〈武〉健気に生きれば

〈斐〉その行動の利き目は

〈蘭〉香り高い賢人となり

〈商〉音楽に勤しめば

〈斗〉人の器も大きくなり

〈為〉成すことが出来る

〈巾〉そして勢力もふくらむ

龍神様の化身」であるお琴は、私を慰め励まして下さるが、少しばかりハードルの高い「自分磨き」をお望みのようでもある。

 

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