お琴今昔物語

門下生の独り言

何故やめてしまうのだろう?

今まで沢山の事に出逢い、沢山の事をやめてしまった。私だけではなく、誰しもが同じだと想う。

やめると一概に言っても、自らやめる時もあったし、やめざるを得なかった時もあった。やめさせられた時もあった。

何故やめてしまうのだろう?

直ぐにやめてしまう知人は言った「手放すのも才能のうち」。

やめざるを得ない状況に遭遇しやすい知人は言った「縁が無かったんだよ」。

諦めない主義の義父は他人事の様に言う「縁を生かせなかっただけなんだろうな」。

「やめてしまった」のでは無く、全ては延長線上にある。全く違う様に見える点が、ある時本当に線になって大きな円を描くかも知れないし、螺旋状にさらに伸びていくかも知れない。

「歳を重ねると、それを実感する時が来るのよ。ああ、あれがこれに繋がってたんだって。楽しみにしてるといいわよ。」

80歳をとうに過ぎた旦那の祖母が、目を輝かせて私に言った。もう亡くなってしまったが、誰の言葉よりも私に響いた。穏やかな口調ではあったが、体験に基づく確信を語る時の彼女の声は艶やかだった。

旦那の祖母のその言葉を信じながら、私の時は刻々と過ぎて行くのだが、円も螺旋も見えてこない。

嗚呼、点がまだ足りていないのかな?

 

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