意識するとは？ - お琴今昔物語

旦那が昔通っていたジムに在籍していたトレーナーは、ボディービルの大会で優勝した事がある。旦那は彼に訊ねた。

「筋肉を付けたい場所を、意識して筋トレをする」と言うのはどういう事か？

「他の場所を全て無視する事」

「もう少し緻密な演奏をして欲しい…。」お稽古の時に先生に度々言われる。どうすれば良いかを訊ねてみた。

「丁寧に弾く事を、意識しましょう。」

シンプルな答えだが、意識する事とはどういう状態かを、筋トレのトレーナーの話から考察してみた。

お稽古している私の頭の中には、いつも沢山の事が一杯だ。

( 以下私の脳内 ) 出だしの音は全身全霊で、次は指に力を入れて、それから少しずつ音を緩めて、押し手が弱いな、あっ、情景を思い浮かべなきゃ、先生の音と合って無いかも、で次は…なんだったっけ？

と言った具合で心中穏やかではない。

そう言う雑音を全て無視して。ただ「丁寧に弾く事」だけに集中すること。なはずが、丁寧に弾くために以上のような雑音が頭の中に渦を巻く。

禅問答のような、瞑想のような…。