お琴今昔物語

門下生の独り言

果報は寝て待て

※当ブログでは日本文化を勝手に応援しております。

 

お琴は桐で出来ているが、柾目と言う杢目の高級なお琴が存在する。

「いつかは、クラウン」ならぬ、「いつかは、柾目」。

冷たい湖畔の透き通る水面のような、美しい音色を奏でる。かつては、年輪ひと目5~10万 ( 職人さん談 ) くらいしたらしいが、今では一面 ( お琴は一面、二面と数える )新品で120万くらいからの物も存在する。勿論、上には上がある。

 

私は普段、何処へ行く時も着物で出掛ける。殆どが母や祖母、身内から譲られたものだ。知人からの頂き物も多い。

通りかかった見知らぬ方から、いきなり大変高価な大島紬を頂いたことがある。ネットで売るつもりで、呉服屋さんに表記の仕方を教わった後だったらしい。

手間がかかる割りに、高くは売れない。いつ売れるかも、わからない。「着て頂けるなら、貰ってくれる?」と言われ、素直に有り難く受け取った 笑。

着物以外にも、こう言う話は沢山あるのだが、皆口を揃えて同じことを言う。非常に謙虚な口調で…。

「( 大切に ) 使って下さるのなら、差し上げます。」

これから先、かつてどんな高価だった物でも、自分では手に入らないと諦めていた物でも、何でも無料で手に入る ( 頂ける ) 時代が来るのでは?と感じてしまう。

やたらと広い庭のある別荘 ( 植木の手入れや掃除が大変そう…)、スーパーカーやスポーツカー ( 免許取得しない若者だらけで、ましてマニュアル車なんて誰が運転するのだろう?)、銘のある骨董品 ( ミニマルな生活が主流な昨今、余計な物はいらない?) など。しまいには会社 ( もう誰も働きたく無い時代に成りつつある ) や家族 ( 娘や息子を貰ってくれ?) まで。

「果報は寝て待て。」

但し「大切に扱わせて頂く」気持ちと、腕は磨いておいた方が良いらしい。二束三文で買い取る業者さんに持って行かれるよりは「あなたに」と言われるように、準備はしておこう 笑。

 

「いつかは、柾目…。」

 

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