お琴今昔物語

門下生の独り言

美しいものには運命(さだめ)がある

どのお琴も美しいと思う。沢山の数のお琴を見たわけではないが、中には本当に息を呑むほど美しいお琴が存在する。お値段も息を呑むほど悩ましい。高級車一台軽く買えるお値段だ。どのような方が購入なさるのだろう。

お琴は、どんなに高額なものであってもその後価値が上がることは、私の知る限り(と言うか職人さん談)ほぼ無い。桐と言う素材で出来ているため寿命が短い。お値段にもよるが30年~70年位で枯れてしまうらしい(これも職人さん談)。購入金額が高級車一台分だとしても、買い取りに出す時は、装飾してある象牙のお値段分くらいしか、買い取ってもらえないらしい(これも職人さん談)。

数億円の価値が付く楽器などと違って、投資目的で購入される事は、残念ながら決して無い。そのクラスになると「お金があるから買える物」とは少し違う意味合いを持つような気がする。

所有すべき人物は既に運命(さだめ)られている。お金の有無に関係無く(たとえどんなにお金がなくとも)辿り着くべき人物の元へ行くのだろう。桐と言う植物がこの世に生を受けた瞬間から、既に所有者は決まっているかのようだ。

息を飲むほど美しいお琴を見つめながら、私ではない誰かの演奏する姿を想う。何処かで再会する事になる(かも知れない)そのお琴は、やはりそれ相応の人物が演奏しているのだろう。

弦は楽器を選び、楽器は人を選ぶ。誰の言葉だったかは忘れてしまった。

 

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