木フェチでなければ馴染みが薄いかも知れないが「泡杢、玉杢」と言う杢目が存在する。字のごとく、玉や泡のような模様が木目に現れる杢目の事、いわゆる銘木のひとつ。
板蔵ファクトリーの吉田 香央里さんが数値化し難い謎の「銘木の世界」について語っている。
「 ある市場の日、私の背丈ほどの普通のケヤキの一枚板と、同じ大きさの玉杢のケヤキの一枚板が競りにかけられ、普通の方は1枚1万円、玉杢の方は1枚400万円で販売されたのを目の当たりにし、びっくり仰天した。」
高級なお琴としても泡杢や玉杢の桐は珍重されているが「音にムラがある」「見た目は美しいが、音色の良いものは少ない」とも言われている ( 職人さん談 ) 。
それでもなお、玄人奏者に愛される泡杢や玉杢のお琴。音色を追求するならば、やはり柾目なはずにもかかわらず。
吉田さんの話は続く。
「上杢は歳を取ればどの木にも出るものではなく、激烈な環境変化に耐えたり何らかの病気を抱えながらも強く生きている木にのみ発生するものだそうだ。」
「若木はみな老木にはなれても、銘木には簡単になれない。」
玄人奏者の方々は、お琴に自身を重ねていらっしゃるのかも知れない…。
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