漆器を扱うお店に行くと、ふたつの同じお椀を差し出され「どちらが新しい方だと思いますか?」と訊ねられた方は多いと思う。
艶のある方が年月を経たもの。一見古そうに見える方が新しいもの。店主の自慢気な顔で語る蘊蓄を聞くのは、とても楽しい。
毎日使用すると言う「時間の経過」が漆器に美しい艶を作り出す…。
楽器も同じように、弾きこむほどに音色が良くなる。
と言われているが、私のお琴は古すぎて良くワカラナイ。お琴は他の楽器と違って枯れゆく運命なので、古いものだと音色の変化は感じにくいかも。
弾き込んだから音色が良くなったのか、年月が経って腕が上がったから音色が良くなったのか、はたまた両者なのか?
古いお琴でも、おうちでの練習の間に実は音色が変化する。
練習をやり始めた時と、一時間くらい練習した後では音色が変わる。弦がしなやかになり、指の動きが滑らかになったせいだろう。さらに、お琴が温まるせいもあるかも知れない。
本当は、その後ぐらいから本調子になってくるのだが、集中力やスタミナやらが途切れて来るのと、夕御飯の支度のせいで、やめざるを得ない。
折角いい感じになってきたのにな。
私の人生も「やっとこれから!」と言う時にお迎えが来るのだろうか?と時々疑問に感じてしまう…。
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