お琴を嗜んでいる初心者さん向けのお話なので、そうでない方々には全く用の無いお話と、予め前置きして。
お琴の弦は、時々切れる。私の弦も切れる。そうなったら、お琴屋さんに持って行って張り替えて頂く。当たり前だから、お琴をお稽古している方々はどなたも知っている。
本来は、お爪の当たる場所がボサボサとなってきて切れるのだが、今回は何故かお盆の入りに切れた (が、勿論ご先祖様の仕業では無い) 。
もとい、弦に琴柱 (白いタワーのようなもの) を立てる場所が切れた。この場所は初めての事だ。弦は新弦に替えたばかりで、普通そんなに早くは磨耗しない。私の弦を押す力が強すぎたのだろうか?と職人さんに訊ねると
「それは無いと思います。琴柱にバリが出ているかも知れないから、琴柱も持って来て下さい。」
と言われたが、私の視力 (裸眼で0.8と1.0)では見当たらない。持参して診て頂くと、どうもバリが出ているらしい。職人さんは、その場で全ての琴柱をヤスリにかけ丁寧に磨いて下さった。
美しく黄泉帰りした琴柱で弾いてみる。劇的に変わる訳では無いが、以前よりも澄んだ音色がする。伸びも良くなったように感じる。
知らなかったのは、私だけかも知れないが、もし琴柱の場所で弦が切れてしまったら、張り替える時に琴柱を持参してメンテナンスをお願いする事をおすすめする (特に古い琴柱の場合は、キレイに見えてもバリが出ている可能性が高い)。
何より安心感が違う。知らずに弦の張り替えだけお願いしていたら、番度張り替えとなる所だった。
お琴職人さん、ありがとうございました。