お琴今昔物語

門下生の独り言

第一人者への道は近くて遠い…

何かを始めた人の9割は途中で挫折する。ただひたすら続けているだけで、1割の優等生枠に必然的に入れると言う話を聞いた。

古いお琴を頂いたのは良いのだが、せめて弦ぐらいは新しく張り替えようかな?と思い、和楽器店を探してみる (東京に持って帰る余裕は無いので、田舎の知人宅に置いといてもらうと言う前提で) 。

田舎のある市内、もしくは近辺を探して電話する。「お琴の糸締めしてた旦那が亡くなりまして…。」「父が糸締めしてたのですが亡くなったんですよ…。」「お店閉めたんです。」云々で、締めて下さるお店が見つからない。

やっと見つけたその場所は、車で2,3時間の山を越えた隣の隣の隣の市。高齢化と和楽器衰退の波に飲まれているのを肌で感じる。

私は用も無いのに、時々職人さん達の所で油を売る。畳屋さん、桶屋さん、包丁屋さん、皆口を揃えて同じことを言う。

「この辺には昔は10軒くらい、同じような店があったんだけど、みんな辞めてしまって今ではウチだけになってしまったんだよ。」

細々と商売が成り立っているのは、「辞めてしまった9軒についてたお客様」が、残った1軒に頼みに来るからだと言う。が、今では「お客様の9割」は畳も桶も包丁も職人さんに頼む事は無くなり、量販店に流れてしまったとも言う。

誰でも好きな何かを続けていけば、必ずその道の第一人者になれると言うが、第一人者になる頃には、その道は絶滅危惧種に認定されているかも知れない…。

それにしても、9割挫折説はどうやら本当らしい。この事実に夢や希望を見いだせるかどうかは、人それぞれだろうけど。

 

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